マグカップの裏

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インディーゲームのレコードを聞きたくてレコード環境を整備してみた話

突然ですが僕は昔からゲームが大好きです。最近はメジャーゲームよりインディーゲームを遊んでいることのほうが多くなっています。インディーゲームとの明確な出会いは、成人して上京し、今の妻と同棲を始める引っ越しの準備の最中、妻の勧めでゲーム実況を漁っていた時です。インディーゲームを中心に動画配信をしているLayerQさんのARK: Survival Evolvedのゲーム実況にめぐりあって、インディーゲームを遊ぶようになったと記憶しています。今でも彼のチャンネルをフォローしていて、様々なインディーゲームと出会ってきました。今ではローグライクやアクションなど色々手広く遊んでいます。

www.youtube.com

彼の動画は見やすくて、そのゲームの良さがどこにあるのかがわかりやすいのでおすすめです。(あと、僕は叫ぶ系実況は苦手で即閉じするのですが彼はそういうのがないのもまたいいです)

ところで、いいゲームにはいい音楽がつきものであることが多いですよね。ゲームのサウンドトラックを作業用BGMにしている人も多いんではないでしょうか。

インディーゲームのサウンドトラック事情

インディーゲームのサウンドトラックは人気ゲームであれば結構な割合で配信されています。Steamで購入することもできますが、最近はSpotifyYoutube Musicで無料配信されていることも多いですね。

Slay The Spire

https://music.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nT82dnmV6WqEG_1-wmmUm_I-MeXrZnBMM

Celeste

https://music.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_k3Qh-VnmS4BMDfZ-8y1Vj72A2TKDBM7JQ

とてもいい世の中だと思います。ところで、この手のインディーゲームのサウンドトラックはVinyl、いわゆるレコードとして出版されていることを知っている人はどのぐらいいるんでしょう?僕は最近知りました。ことのきっかけは大好きなゲームの一つであり、強いメッセージを受け取ったゲームである The Messenger のレコードの存在を知ったことでした。

The Messenger 2xLP【アナログレコード】iam8bit.jp

存在を知ってしばらくは「新しいお家に引っ越したらレコード環境作ってこのレコードも買おう」と思っていたのですが、ある時限定3000枚しか製造されていないことを知りました。3000枚!世界で!となると買うしかありません。当然買ったのですが、再生できる環境などありません。

※そもそもコレクターグッズなので開封、再生なんて以ての外だという方もいるかも知れませんが、僕は使ったらなくなるようなものや二度と使えないものでもない限り使ってみたい派です。また、レコードに関しては開封して初めて分かる良さがありました。後述しています。

環境を作る

レコードを聞く環境を作るにあたり2つの課題がありました。1つは私にはレコード再生に関する知識がないこと、2つはお金がないことです。したがって、低コストで初心者でもできる環境を作る必要がありました。結論を述べると、削れるところを削って再生機器周りで3万円ぐらい、レコードのメンテナンス用品で数千円といった具合になりました。

レコードプレイヤーとイコライザー

まず、レコードに落とす針を備えたプレイヤーが必要です。そして、レコードはその盤面から読み取った信号は、レコードの仕様の都合で低音は小さく、高温は大きく記録されているため、それを補正するイコライザーが必要になります。1つずつ揃えるお金はないのでまとまっているものにしました。

コストパフォーマンスがいい感じがしていいですね。DENONは過去にヘッドホンを買ってとてもいい体験ができたので良さそうに思いました。

www.mugcup.cafe

プリアンプとパワーアンプ

レコードから発せられる音はとても微弱なので、何らかの信号増幅の仕組みが必須らしいです。プリメインアンプや、アンプ内蔵スピーカーを使えばいいのですがどうせならちょっといい感じのする音で聞いてみたい、でもお金はないということで格安のプリアンプとパワーアンプを揃えます。プリメインアンプというのはそれらが1つにまとまって物で、エントリーモデルでも数万円します。

ヤマハ プリメインアンプ シルバー A-S301(S)

ヤマハ プリメインアンプ シルバー A-S301(S)

  • 発売日: 2014/09/25
  • メディア: エレクトロニクス

高い〜。流石に入門で購入は厳しい、ということで評判がいい中華メーカーのプリアンプとパワーアンプを揃えることにしました。

プリアンプ

こちらがプリアンプです。これを使ってレコードから発せられた音をラインレベルまで増幅するそうです。要するに一般的な音響機器で取り扱う信号レベルまで増幅させる、という理解をしています。真空管ついててかっこいいですよね。在庫切れになっているので、今買うならこっちでしょうか。

パワーアンプ

こちらがパワーアンプです。これはプリアンプで増幅させた信号を更に増幅する、要するにボリュームコントロールをするような役割と理解しました。

※追記 そうそう、この2つのアンプはACアダプターが付属していないので別途購入が必要なのでした。世界中に安く売る工夫なのでしょう。

プリアンプ用

パワーアンプ

僕はこの2つを買いましたが、違う製品を買ったなら適宜選ぶ必要があります。

スピーカー

スピーカーは今回アンプを揃えているのでパッシブスピーカーを購入します。せっかくなのでレコードプレイヤーと同じメーカーで揃えてみました。

レビューを読み込んでみると、随分と評判がいいです。これ以上になるとやはり数万円どころの騒ぎじゃなくなってくる世界でしょうからこれに決めました。

その他に揃えた機器

機器というかケーブルですが、これを追加で買っています。

抜き差ししやすいケーブルらしいです。

完成!レコード再生環境

これでレコードを再生する環境は整いました。水平な場所に設置する必要があるのでメタルラックに板を敷いています。

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レコードメンテナンス用品

レコードはそれ自体がアナログな記憶装置であり、HDDのように外殻に覆われているわけでもなくむき出しです。したがってメンテナンスをしないとノイズになるのでメンテナンス用品を揃えました。

クリーナー

これだけで湿式、乾式両方の清掃が可能です。使い方もわかりやすいので最初はこれから買うのがいいだろうと思っています。

レコードの針クリーナー

レコードの上にホコリがあると、それが針に引っかかり焦げ付くことがあるそうです(まだ見たことないけど)。そういうときに磨くらしいのですが、僕は時々、レコードを聞き終わったら磨くようにしています。

レコードスリーブ

インディーゲームのレコードがそうなのか一般的にそうなのかはわからないのですが、レコードの盤が紙のスリーブにそのまま入っています(上のスリーブのようなものに入っている場合もあります)。このままだとすぐホコリが付着しそうになるのでこれを買っておくのがおすすめです。

他にもあるのですが、とりあえずこれだけ買っておくのがイニシャルコストとしては妥当だったかなと思います。

再生してみて

初めて再生したときの感想は「音なった!」でした。デジタル世代ですからね、しょうがない。気になる音質ですが、愛用しているWI-1000XやAH-GC30のようなフラグシップモデルのBluetoothイヤホン/ヘッドホンより良い音が出ていることがわかります。僕は素人なので(アンプなんて初めて買いました)そこまで耳が肥えているわけではないですが、いい音がなっているなと感じられる程度にいい音がなっています。

レコードの購入場所と買ったもの

購入は実店舗ではなくFangamerさんのサイトでやりました。

jp.fangamer.com

Fangamer JapanさんのサイトではCDしか取り扱いがないので本家のFangamerにアクセスしましょう。海外から送られてくるのでとても待つことになりますが、待つ価値はあります。僕はこれらを購入しました。

Hollow Knight Vinyl Soundtrackjp.fangamer.com Hollow Knight Gods & Nightmares Vinyl Soundtrackjp.fangamer.com Celeste Vinyl Soundtrackjp.fangamer.com Celeste - B-Sides Vinyl Soundtrackjp.fangamer.com Slay the Spire Vinyl Soundtrackjp.fangamer.com

どれもお気に入りのゲームで、最高のゲームであり、最高のサウンドトラックを提供してくれています。

また、先述のiam8bitさんでも購入できます。本家iam8bitさんには在庫がなくてもiam8bit japanさんにはあったりします。オリジナルサウンドトラックでなく、ピアノアレンジなどがAmazonでも購入できるようです。僕はこのCelesteのピアノアレンジを購入しました。最高です。ちなみに、YoutubeMusicでも聞けます。

インディーゲームのレコードを買う楽しみ

インディーゲームのレコードを買う楽しみは聞くだけではないです。そのゲームをプレイしていたらおっ!!となるような仕掛けが施されているものがほとんどです。レコードのケースはもちろんキャラクターが描かれていたり、やたらかっこよかったりするんですがレコードの盤面も最高です。例えばこんな感じ。

The Messenger

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プレイした人なら見覚えがあるでしょう。2枚組で裏表あるのですが全部違うイラストが書かれています。しかもこれ、当然ですが回るんですよ。この絵面で回るの最高じゃないですか?

Hollow Knight

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特に感動したのはこれ。そう、これHollow Knightのチャーム「王の魂」ですよね。めっちゃ感動しました。そしてこのレコードは2枚組です。もう1枚は買って確かめて下さい。

Celeste

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異常にかっこいい、それに尽きます。Celesteをプレイしてあの世界観、音楽に最後まで触れた人はこの盤面であのスピード感やテンポを想像出る人もいるかも知れないですね。

ホントは全部紹介したいんですが、買ってからの楽しみというのもあると思うのでぜひ買って確かめてほしいのでやめておきます。

他に買ったもの

後述しますが中古でクラシックのレコードなども購入したので、洗浄が必要なことがありました。新品でもいずれ必要になると思ったのでこのレーベルカバーを買いました。

洗ったときに立てかけるものは百均のまな板スタンドで丁度いい高さのものがあったのでそれを代用しました。こういう形のやつ。

まとめ

インディーゲームのレコードを聞くために揃えた環境でしたが、最近はクラシック音楽も聞くようになりました。もともとストリーミングサービスで聞くことはあったんですが、この曲は誰の何という曲、と意識して聞いてみるのも面白いかなと思い購入しました。視野が広がったような気がしないでもないですね。インディーゲームのファングッズを買うことは今までもありましたが、レコードだけはほしいけど再生できないし…とためらっていたのでこれで心置きなく買えます。今この記事を書いていて気づきましたがいくつかのレコードがすでに品切れになっていますね…再販されるといいですが、これっきりということもありえます。そういうものをためらいなく買っていけるというのは精神衛生的にもよいですね。

インディーゲームは少数のチームで作られることが殆どで、それ故にそのチームあるいは個人が表現したいことが色濃く表現されるケースが多いです。本記事の中で紹介している The MessengerCeleste もその最たる例の一つだと考えます。作品をプレイする中で、その作品を通して伝えたかったであろうメッセージを受け止め、消化することが僕がインディーゲームを楽しむ過程には含まれています。音楽はそのメッセージを想起させ、また気分を盛り上げてくれる重大な要素であり、それを作品の余韻とともに楽しめる環境が作れてよかったと思っています。

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最後に、これは僕の好きなインディーゲームのピンバッチ。ただの自慢です!もっと欲しいんだよな~!